1: なまえないよぉ~ 2018/12/29(土) 17:24:01.13 ID:CAP_USER9
NHK朝ドラへの注目度、期待感は高い。であるがゆえに、“違和感”がことさら目立ってしまうのも事実。ドラマウォッチを続ける作家で五感生活研究所代表の山下柚実氏が指摘する。
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 またか。NHK連続テレビ小説『まんぷく』に、もう満腹です。10月にスタートして3ヶ月。その間に主人公・立花福子の夫、萬平は何と3回も逮捕され牢屋にぶちこまれてしまいました。「捕まる」というエピソードがもう満腹すぎて、視聴者のおなかはいっぱい。

 物語は、ご存じのようにインスタントラーメンを開発した日清食品創業者・安藤百福と仁子の夫妻がモデル(ドラマでは萬平と福子)です。しかし、あくまで「モデル」ということで安藤さんの実人生を忠実になぞる筋立ではありません。フィクションの部分も多く、何よりもまず安藤百福さんの出自=台湾という部分を、ドラマでは完全に切り離しています(萬平は日本人の設定)。

 一方、萬平はアイディアマンで発明家気質で、次々に工夫を凝らし新商品を世に送り出す。そのあたりは百福さんと重なります。そう、「インスタントラーメンを発明する」ということ自体が現実の出来事です。

 つまり、この朝ドラの脚本はある部分は事実を踏襲していますが、随所に大胆なフィクションをとり入れている。それならば……いくら安藤百福さんの実人生が艱難辛苦の連続で何度も投獄されたのだとしても、ドラマで3ヶ月間に敢えて3回も「逮捕されて投獄」という展開にする必要は、ないのではないでしょうか。もう鉄の柵やMPの文字は見飽きました。

 出演俳優に目を向ければ、まさにキラ星のごとし。安藤サクラ、長谷川博己、桐谷健太、松下奈緒、要潤……と芸達者がズラリ。それぞれが一生懸命、役柄を演じようとしています。繰り返し逮捕される長谷川博己さんなんて、どうやって演じ分けるか苦心しているでしょう。ひたすら夫を待つ妻の安藤サクラさんも。役者はさぞや大変だろうなぁと、お茶の間で同情したくなります。もっともっと、長谷川博巳や安藤サクラにしかできない味の演技を見てみたいな、と感じます。

 考えてみれば、朝ドラは半年間という長丁場。かつ、毎日数千万人の目が向けられる。その脚本ほど難しいものはないのかもしれません。変化しながら一貫性をもち続け、視聴者を飽きさせず、広い年齢層を満足させ、時にほっこりと感動させ、時に涙させるといった筋書きを作り出すのは至難の業でしょう。

 朝ドラはいわば国民的大プロジェクト。だとすれば、そもそも一個人の脚本家の着想にだけ依拠しているような仕事ではないのかも。同じエピソードがこうも繰り返されると、そんなことを考えてしまいます。

 海外に目を向けると、長編名作ドラマの脚本はたいていチーム編成で、時間をかけてアイディアをじっくりと練り上げ、プロデューサーや制作スタッフもブレストに参加し、いわば大建築物を作るジョイントベンチャー方式のように「組織/チーム」で作り上げていくことが多いようです。実際、『24-TWENTY FOUR-』や『LOST』などの話題作には2桁の数のライターが参加したとか。まるで立体的な建造物を作るようにして物語の柱を立て、横軸や壁や床といったものを細部まで作り込んでいった結果、優れた大ヒット作が生まれ出てくるのでしょう。

 2019年は、いよいよ朝ドラが注目される年となりそうです。前期の『なつぞら』は広瀬すずさんが主演し、後期の『スカーレット』は戸田恵梨香さんが主演に決まった。もはや新人女優の登竜門ではなくなり、人気俳優の勝負の場としての大プロジェクトの観あり。脚本の作り方にも新たな改革が求められているのかもしれません。

2018.12.29 16:00 
https://www.news-postseven.com/archives/20181229_834073.html?PAGE=1#container 
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